『コードから必要な情報を読み取る方法!』JGT#69

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『コードから必要な情報を読み取る方法!』JGT#69

※撮影用台本(本編の書き起こしではありません)

はいどうもこんにちは!ギターのタナカ裕一です。
今回は『コードの読み方!コードから必要な情報を読み取る方法!』
と言うことでお届けします。

さてみなさま。コード読めますか?
楽譜に「C」と書いてあって、例えばこんな※弾く
コード押さえて弾けたらまずは第1段階

今回はコードから必要な情報を読み取る深度、情報量の多さを○○段階に区切ってお話して行きます。ジャズギター初心者~中級者向けの内容となっております。

オレは上級者だ!と言う方はコードの読み方に見落としが無いかなと言うチェックがてらに、どのレベルの方も最後まで動画をご覧いただければ幸いです。それでは行ってみましょう!

【1.】

コード、コードと言っていますが、正式名称はコードシンボル。
コードネームと言う呼び名もありましてこちらは和製英語。

つまり日本では「コード」について2つの呼び名があるのですが、明確ではないにせよ使い分けがされることがありまして。

・「ドミソ」と音が組み合わさった和音を「C」と表記したものがコードネーム(楽譜画像)
「その和音」の「名前」と言うイメージでしょうか。
つまり1対1対応する何らかの音の組み合わせを表す目的で書かれたものがコードネーム

・「C」と表記することで「ドミソ・ドソミ・ミドソ・ミソド・ソドミ・ソミド」のように「ドミソ」の並べ替えや、動画の冒頭にもご紹介した「ドミソドミ」のように音が重複したものも含めて、「C」と呼ぶことができる全てを表したものがコードシンボル。と言う感じ。

この用語の使い分けは、明確に一般的である!と言うわけではないですが、今回の動画では以降「コードネーム」と「コードシンボル」を別の意味の言葉として扱っていきます。

【1-2.】

多くの楽譜作成ソフトで「C」と入力して、ダイアグラム(押さえ方)を表示させると「ドミソドミ」の図が表示されます。※画像

例えば、何らかの音源を採譜したら「ドソドミソド」と言う音が鳴らされていたのでオタマジャクシを書いた。※画像

「ドミソ」の組み合わせなので、コード「C」と入力して、ダイアグラムを表示させると、ソフトの都合上でこの図が表示されます。※画像

見たままですが、ギターの指板図で示された音の組み合わせと、オタマジャクシで書かれた音の組み合わせは別ものです。ちなみに、オタマジャクシの方を弾くと「ドソドミソド」6弦ルートのこのフォーム。図のとおりに弦を押さえて鳴らしても同じ響きにはなりません。

弾き語りの本なんかで出て来たコードの押さえ方をそのまま押さえて弾いてみたら、原曲の響きと異なって困惑した経験、皆さんもあるんじゃないでしょうか?その困惑の原因は以上のようなことから起こっています。

コードを正しく捉えて行くためには書かれたコードを、何かと1対1対応するコードネームとして読むのか?あるいは、例えば「Cと呼ぶことができる全てを表す意味で記載されるコードシンボル」として読むのか?がとても重要だと言うことです。

【2.】

ジャズ音楽では主に「※画像」のようなリードシートと呼ばれるメロディとコードしか書かれていない楽譜を用います。

ジャズスタンダードなんかだと主に32小節で、この1ページの楽譜を何度も繰り返して演奏します。一周目は楽譜に書かれたメロディを演奏して、二周目以降はコードを頼りに即興演奏をすると言う感じ。

つまり二周目以降は、この書かれたコードから即興演奏に必要な情報を読み取らないといけません。何が書かれているかと言えばコードシンボルとして書かれています。

何かと1対1対応するコードネームとして書かれていませんし、読むものではありません。

■リードシートのコードは「コードシンボル」※コードネームとしては読まない

【3.】

コードの構成音。
この部分はわかってる方、ほぼ全員かと思うのでサッと行きますが、はいコチラ。
コードの構成音がわかれば、楽譜にそのコードを書いた人が弾いて欲しかった3音ないし、4音が判明します。

ここで重要なのはギターやピアノの人はコードを伴奏のためのものと思ってしまいがちですが、管楽器・ベースなど単音楽器の人も全員このコードから情報を読み取って演奏してるってこと。

楽譜に書かれたコードを見て、構成音がわかったらそれを組み合わせてメロディを作ると言う方が、実際には多い使われ方です。

複数の音を組み合わせて伴奏のコードを弾くことができるギターやピアノの方が実際は少数派って訳です。

今回は「コードの読み方」の回なので、読み取った「コードの構成音」からどうやってメロディや伴奏のコードを作るかについては割愛します。過去動画でさまざまなアプローチについて触れていますので、興味のある方は過去動画いろいろチェックしてみてください。

【4.】

コードの背後にある音階。
先ほど表示させたフライミートゥーザムーンの楽譜、別の例を並べて表示してみます。

この4小節目に注目して欲しいのですが、先の楽譜では「CM7 – C7」、新しく表示させた方ではただ「C」と書かれています。

新しく表示させた楽譜について、もう少し詳しく見ると他の箇所では「C」ではなく「CM7」と書かれています。

なぜ4小節目だけただ「C」と書かれているのか推測すると、伴奏のコードは「C:ドミソ」のまま、背後で「シ→シb」と言う音が動いていて、先の楽譜ではそれがコードシンボルに反映されて「CM7 – C7」と表記していたのだけれども、少し込みいった内容だしメロディにも影響がない部分だから、ひとまずただ「C」と書いたと言う感じでしょうか。

つまり「C」と書かれていても、その背後にある部分、書かれていない部分についても情報は存在していて、それはすなわち音階!

優秀なコードの読み手であるためにはコードの背後にある音階を読み取る必要があります。

今回は初~中級者向けの内容なのでなるべくシンプルにお話出来たらと思いますが、例えばただ「C」と書かれていても、Key Cに出て来る「C」は「ドレミファソラシ」から作られた「C」だし、Key Fに出て来る「C」は「ファソラシbドレミ」から作られた「C」だし、Key Gに出て来る「C」は「ソラシドレミファ#」から作られた「C」と言うことです。

【まとめ】

今回のまとめです。

・コードを正しく捉えて行くためには書かれたコードを、何かと1対1対応するコードネームとして読むのか?あるいは、例えば「Cと呼ぶことができる全てを表す意味で記載されるコードシンボル」として読むのか?がとても重要だと言うこと

・リードシートのコードは「コードシンボル」※コードネームとしては読まない

・リードシートのコードを見たら、構成音をしっかり把握して、それからメロディや伴奏のコードを考えよう!

※ポップスやクラシックは、録音された音源や作曲家が残した楽譜など、演奏によって再現しようとしている内容が確定しているので、書かれたコードをコードネームとして読む必要があることも多い

・コードの背後にある部分、書かれていない部分についても情報は存在していて、それはすなわち音階!

優秀なコードの読み手であるためにはコードの背後にある音階を読み取る必要があります。

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